ゲームを遊んだりツクったりする奴らの雑記

Sapphasua_Gamesのメンバーが、自由に気の向くままに記事を書くブログです。

雑記【2023/6/26】

最新ゲーム、という訳でもなさそうなんですが、Steamで『フラッシュバック』というゲームがおすすめに上がりまして、安かったのでプレイしたところとんでもなく良かったです。実績全取得、後日談も含め最後まで読了したくらいには。

ネタバレになっても良くないので詳しい内容には触れませんが、こういう、ゲーム側から物語を積極的に開示はせず、プレイヤーが能動的に物語を読み解こうとすることで、ゲーム側もそれに応えて新たな展開が起こるようなゲーム好きなんですよね。わかりますかね。こういった物語の魅せ方はゲームでしかできない表現なので、物語に対する満足感が高くなりやすいです。最後の最後でゲームシステムを利用するのもニクい。

ゲームシステムも、ローグライク的な要素もあるので初めは運にかなり左右される印象を受けましたが、MOTHERでいうドラムロール的な仕様になっていると分かって以降はかなり安定してプレイを進められるようになり、エンディング探しに集中できるのも良かった。楽しい楽しいゲージ管理ゲームです!

お安いので皆さんやってみてはいかがでしょうか。全クリまで2時間半もかからないくらいのボリューム感なので遊びやすいですよ~。

 

さて、以下は全然関係ないよもやま話です。

 

良い作品に触れると自分も頑張らないとなぁと思うのと、こういう作風も作ってみたいなぁなどと思うのは常です。

前述の話の続きですが、物語をただ垂れ流して提供するのはゲームでなくとも出来るんですよね。小説でも漫画でもアニメでも。

ゲームでしか描けない物語とは何か? 選択肢によって分岐させる? それは紙の本でも可能ですし、実際やってる作品はあります。プログラムやファイルをユーザーに弄らせることでゲーム内に変化を起こす? 方法は違いますが、web小説で似たようなことを行っていた作品を知っています。(小説の中に登場する土地に読者が赴いて、そこで何かしらの行動をすると小説内にもそれが反映される、というようなもの。小説内の登場人物が実際に街中に居て、何か物を手渡すと小説内に出てくるその登場人物もそれを持っていることになったり、情報を伝えると小説内でもその情報を知ったことになったり)

よく言われるのが、ストーリー部分以外の、プレイヤーがゲームプレイ中に体験した出来事が付与されるのがゲームの物語にしかできないということ。でもそういう感情とか体験的な話では無く、本当の意味でゲームにしかできない物語の描き方をしたいし、そういうことができている作品にはかなり惹かれます。

例えば、何回も周回プレイすることで物語に変化が起こる。分岐を変えることで変化が起こるとかではなく、もっと根本的に変化する。それはゲームでしかできない表現方法だと思います。読み返す度に内容が変わる本なんて最早呪物の域に達してそう。

でも難しいのは、ゲームをわざわざ周回プレイしようとする人は能動的にコンテンツを追いたいと思ってくれている人だけであって、コンテンツ(物語も含む)をただ受け手として受け取るだけでいたい人たちはしないんですよね。ゲームだけでしかできない物語の表現方法って、本気で物語の全てを読み解こうとしてくれる層にしか体験できないんじゃないかと思ったり。そういう意味では物語の魅せ方としてはあんまりよろしいものではないのではないかとも思う。

ただ垂れ流して眺めるだけで感動も興奮も真実も全部理解できるような作品と、ただ垂れ流して眺めるだけでは感動も興奮も真実も何一つ理解できない作品。世間的にどっちが良いかと言われれば前者の方が良いっていう人が多いだろうなぁと。物語ジャンキーならともかく、一般の大衆ならそう思うはず。

でも自分は、何一つ分からない中で一歩踏み出して、自分から物語を理解しようと歩み寄ったときに、隠していた感動や興奮を共有してくれる、そんな作品が好きなんですよね。なんか、ご褒美をもらえたみたいで。

もちろん、世の中には何一つ分からないまま、一歩踏み出しても何も貰えない作品もいっぱいありますし、だからこそちゃんとそういうユーザーに対してご褒美を与えてくれるゲームは良いなぁと思うし、カッコいいなぁと思う。だって、折角作った物語なんだから全ての人に理解してほしいと思うだろうし、それをあえて隠して、気付いた探求者にしか提示しないというのは、創作者として憧れを覚える。

いつかは自分も、そういう物語を作ってみたいものですね。